その男は誰だ?シャフト! | long island sound

その男は誰だ?シャフト!


3.25 いつもとおんなじ

そろそろ寝ようかと思って、パジャマに着替えてベッドの上に座り、壁に凭れ掛かって本を読んだ。相変わらず村上春樹だ。俺は村上春樹の作品の大半が大好きだ。決して彼の作品だからといって好きだという訳ではないし、他に好きな作家は一杯あるけど、今のところは村上春樹しか読んでいない。そもそも読書に注ぐ時間があまりないから、貴重な時間を費やすのであれば確実に面白い話を読みたい。そして彼の作品ならそれが期待できる。


ところで、村上春樹の作品に関して、俺は何故言い訳のような言い方をしなくてはならないのか?「確かに読みやすいは読みやすいもんな」と、俺は誰かに彼の作品が好きだと言い出すと、いつもこのような返事が返ってくる。そして遠藤周作を薦められる。こんなことがもう一年間も延々と繰り返されている。だが俺はまだ遠藤周作を読んでいない。俺は何も遠藤周作が嫌いな訳ではないが、いつも同じような人間に薦められるのが嫌いなだけだ。しかも必ず遠藤周作だ。ちなみに阿部公房とか、村上龍が好きだと言ったら相手は感心して「よくあんなムツカシイものが読めるよね」と俺のことを褒めやがる。馬鹿みたい。


でもとにかく村上春樹が好きだ。俺は読書によって何かある特定の要素を求め、彼はそれを見事に供給してくれる。そういう言い方をするとあまりロマンティックとは言えないが、仕方がないのだ。要するに俺がする読書とロマンティックな人がする読書とは目的が違うのだ。


村上春樹。ユーモアの感覚といい言葉遣いといい、俺にとっては彼の作品は最高だ。そして何よりも素敵なのは、村上の本を読むと書きたくなるのだ。書きたくて仕様がない。ほったらかしにしていたこのブログも、今日一週間ぶりに更新するのもそのお蔭だと言ってもいいかもしれない。


最近は代わり映えのない人生が続いているだけだ。毎日勉強をする。疲れると近所を散歩する。それが何日か続いたところで、俺は考えるのを止めることにした。完全思考停止。大体俺の頭の中には二つのことしか入っていないし、それらについてどれだけ考えたところで展開らしい展開は何もない。時間が経ち、足が疲れるだけだ。だから考えるのを止めた。


頭の中を整理する必要がある。今までの経緯を一から順番に解析して、何を求めてここまで来たか、そしてここから何がしたいかを考え直さなくてはならないのだ。そしてそれには相当な時間がかかるんじゃないかという気がする。だから今はできない。試験が無事に終わってからでも、ここでは考えたって無駄かもしれない。一度アメリカに帰って、ゆっくり時間をかけてこのカボチャ頭から答えを搾り出すのだ。